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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻12号

2000年11月発行

文献概要

論述

人工股関節全置換術後の脱臼例の検討

著者: 三谷誠1 松原伸明1 金村在哲1 冨田佳孝1 日野高睦1 村津裕嗣1 原田俊彦1 西川哲夫2

所属機関: 1県立加古川病院整形外科 2神戸大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1317 - P.1322

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 抄録:過去10年間に当科で人工股関節全置換術を施行し追跡調査可能であった症例を脱臼群と非脱臼群に分類し,その臨床像を調査し,治療上の問題点について検討を行った.対象は79例87関節(男性7例,女性72例)で,手術時年齢は42~80歳(平均64歳)である.脱臼率は8.3%であった.術後可動域,ソケットの側方開角,引き下げ距離、骨頭中心位置に有意差は認められなかったが,ソケットの前方開角において,後方脱臼群と前方脱臼群および非脱臼群との間に有意差がみられた.手術進入路別にみると,脱臼率は前外側進入群,後方進入群それぞれ6.0%,16.2%で有意差は認められなかったが,後方進入群に多い傾向がみられた.また,後方進入群には極端な前方開角の異常を認める症例が含まれていた.後方進入の時は側臥位となり術中の骨盤の傾きが把握しにくいため,ソケットの設置(特に前方開角)に注意する必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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