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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻12号

2000年11月発行

文献概要

論述

脊椎変性疾患における重複病変について

著者: 笠原孝一1 井口哲弘1 栗原章1 山﨑京子1 佐藤啓三1

所属機関: 1神戸労災病院整形外科

ページ範囲:P.1323 - P.1329

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 抄録:椎間板変性に由来する脊椎変性疾患で頚椎の手術的加療を行った83例について,頚椎病変のみの群,腰椎にも変性疾患を合併するが腰椎手術を施行しなかった群、および腰椎に変性疾患があり腰椎手術も施行した群に分けて,画像および臨床的特徴について比較検討した.この際,病態の異なる靱帯骨化症や石灰化症は除外した.重複病変群は頚椎のみならず,腰椎にも多椎間の変性変化を認めた.頚椎または腰椎のどちらかに3椎間以上の椎間変性がある場合,他の部位にも病変を有している可能性が高かった.腰椎病変を合併した頚椎症性脊髄症は,合併のない群と比べて,術後JOA点数が低く,臨床症状の回復が悪かった.また,腰椎病変合併群では,術前下肢に髄節性の神経症状を呈する症例が多く,診断に有用である.治療方針としては,頚部脊髄症状に加え,下肢髄節性の神経症状が明らかな例では頚,腰椎同時手術も考慮される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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