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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻12号

2000年11月発行

文献概要

論述

解離性運動麻痺の臨床経過―非手術例の検討

著者: 鹿野博亀1 小田剛紀1 藤田悟1 塚本泰徳1 森茂樹1 冨士武史1

所属機関: 1大阪府立病院整形外科

ページ範囲:P.1335 - P.1340

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 抄録:解離性運動麻痺の手術を施行せずに追跡した症例の臨床経過を調査した.23例を対象に徒手筋力テストで麻痺を経時的に評価し,臨床経過と年齢,麻痺の局在(近位型,遠位型),筋力,筋萎縮の有無との関係を調査した.MRIでは脊髄圧迫高位の分布,圧迫形態と麻痺の局在の関係を調査した.23例中,改善10例,不変12例,悪化1例であった.改善例は発症後平均10カ月(最長18カ月)で改善を示した.不変例は発症から20カ月以上追跡したが上肢麻痺に変化がなかった.悪化の1例は,発症から15カ月で索路症状が出現した.統計学的に改善不良な因子は筋萎縮を伴うものであった.脊髄圧迫高位の分布では,C3/4で圧迫を認める症例が近位型6例・遠位型なし,C6/7で圧迫を認める症例が近位型1例・遠位型8例であり,これら2椎間が両型の差を示していた.圧迫形態は多彩な像を呈し,本症に特異的な所見は見出せなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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