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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻12号

2000年11月発行

文献概要

臨床経験

手指に発生した石灰化を伴った血管平滑筋腫の1例

著者: 西大佐1 齋藤哲文1 堀口誠1 姫野良1 斉藤聡彦1 大田秀一2

所属機関: 1大阪府済生会野江病院整形外科 2神鋼病院整形外科

ページ範囲:P.1383 - P.1386

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 抄録:手指に生じた石灰化を伴った血管平滑筋腫の1例を報告する.症例は51歳,男性.左環指DIP関節掌側に無痛性の長径35mm弾性硬の半球状隆起性腫脹を認めた.単純X線像では左環指DIP関節掌側に境界鮮明な分葉状の石灰化像,骨シンチ像では,同部に集積があり,MRIではT1強調画像にて不均一な低信号,T2強調画像にて低信号と高信号の混在した境界明瞭な腫瘍陰影を認めた.以上の画像所見より骨外軟骨腫を疑い腫瘍の摘出を行った.手術所見では,腫瘍は指動脈の分枝が入り込み薄い線維性被膜に覆われ淡黄色を呈し,骨様硬で内部は分葉状構造を呈していた.病理組織所見は,血管壁の平滑筋束に連続して異型性を認めない平滑筋細胞が結節性に増生し,石灰化を伴う血管平滑筋腫であった.手指の指動脈から発生し石灰化を伴った血管平滑筋腫の報告は少なく,稀な症例であったと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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