icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻12号

2000年11月発行

文献概要

臨床経験

若年性一側上肢筋萎縮症(平山病)の1例

著者: 毛糠英治1 末綱太1 牧野明男1 和田誠之1 中井倫子1

所属機関: 1八戸市立市民病院整形外科

ページ範囲:P.1387 - P.1390

文献購入ページに移動
 抄録:症例は16歳,男性.左手の脱力・シビレ,左手指伸展時のふるえを主訴に当科を受診した.左前腕以下の筋萎縮,左手指伸展・屈曲・外転筋力の低下を認めたが,他の神経学的異常はなかった.前屈位頚椎MRI像ではC4~6レベルで脊髄後方部分の拡大と脊髄の圧迫像を,脊髄造影では頚椎前屈時,同レベルの硬膜管の狭小化と後壁の前方移動を確認したが,これらの所見は頚椎後屈位では認めなかった.以上の結果,平山病と診断し,C5左椎弓切除とC4~6の後方固定術を行った.術中・硬膜外血管の増生・拡張がみられ,血管の病理組織所見は動静脈奇形であった.
 平山病では頚椎前屈により硬膜管が過剰に前方へ偏位し,慢性的な脊髄の圧迫が,脊髄前角に虚血性壊死をもたらすと報告されている.しかし,本症例から硬膜管の前方偏位の機序として,硬膜外血管異常の関与が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら