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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻12号

2000年11月発行

文献概要

臨床経験

髄膜炎をきたした腸腰筋膿瘍の1例

著者: 酒井義人1 井上喜久男1 甲山篤1 夏目徹1 筒井求1

所属機関: 1県西部浜松医療センター整形外科

ページ範囲:P.1391 - P.1394

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 抄録:腸腰筋膿瘍に併発した髄膜炎の1症例を経験したので報告する.症例は63歳の男性で糖尿病を治療中である.下腹部から鼡径部の痛みと発熱を主訴に受診,CTおよびMRIから腸腰筋膿瘍を早期に診断しえた.抗生剤投与,ドレナージなどにて治療を行い改善傾向にあったが,入院約2カ月後に意識レベルの低下と頚部硬直を認め,腰椎穿刺の所見から細菌性髄膜炎と診断した.抗生剤投与により治癒したと思われたが,約4カ月後,腰痛とともに髄膜炎を再発した.髄液中に多量の膿を認め,抗生剤に反応せず死亡した.腸腰筋膿瘍から髄膜炎をきたすことは稀で,過去の報告でも医原性のものや診断,治療の遅れによることが多い.また,髄膜炎を併発した場合,死亡率が高いため,腸腰筋膿瘍の早期診断と適切な治療により髄膜炎への移行を防止することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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