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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻12号

2000年11月発行

文献概要

臨床経験

腱鞘線維腫による弾発手関節の1例

著者: 藤田勝1 狩山憲二1 山川久秀1

所属機関: 1済生会西条病院整形外科

ページ範囲:P.1411 - P.1414

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 抄録:腱鞘線維腫による弾発手関節の1例を経験したので報告する.症例は36歳の男性.主訴は右中環指の痛み,右手使用時のひっかかり感である.右母示中指掌側の知覚低下を認め,手指の屈伸で激痛を伴い横手根靱帯部で轢音,弾発を認めた.矢状断のMRIにて,手指屈曲時にTl強調像で等信号,T2強調像で内部不整な高信号の紡錘状の腫瘍を手掌部に認めた.手術は手根管を開放し,中環指の深指屈筋腱に癒着している腫瘍を摘出した.摘出腫瘍の病理所見は腱鞘線維腫であった.術後速やかに症状は消失した.手指の運動による弾発手関節は,われわれが調べ得た限りでは自験例も含めて国内外で59例63手の報告があった.慢性滑膜炎によるものが30例と最も多く,腫瘍性疾患が24例で腱鞘線維腫によるものは11例と稀である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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