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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻13号

2000年12月発行

文献概要

シンポジウム 21世記の整形外科移植医療~その基礎から臨床応用に向けて

骨形成因子(BMP)による骨欠損の修復―BMPのDelivery Systemとして機能する新しい生体分解性ポリマーの開発を中心に

著者: 斎藤直人1 高岡邦夫1

所属機関: 1信州大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1449 - P.1455

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 要旨:骨形成因子(Bone morphogenetic protein:BMP)を用いることにより,これまで同種骨移植や自家骨移植が必要であった大きな骨欠損を骨移植せずに修復することが可能になり.この方法は日本でもすでに臨床治療試験の段階に入った.しかし,このBMPによる局所的骨形成促進効果を得るためには,局所に効率よくBMPを作用させるための優れた担体との複合によるDrug Delivery System(DDS)が必要である.国際的にBMPの担体としては,家畜由来のⅠ型コラーゲンが使われている.しかし,BMPの臨床利用にあたってはそのBMP含有インプラント材に種々の物理的特性(力学的強度,液性など)が望まれると思われる.われわれは,BMPのDDSに適した種々の物理的特性を有する生体分解性ポリマーを開発し,動物実験においてその有効性を示した.この生体分解性ポリマーは,BMPのDDSとしてこれまで最適であると考えられてきたⅠ型コラーゲンに匹敵するものであった.これらのポリマーとBMPの複合体をさらに他の生体材料(金属,セラミックなど)と複合したり,注射が可能なポリマーを用いて低侵襲でBMPを作用させればBMPの用途はますます広がり,新しい整形外科治療法の開発に貢献することが期待できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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