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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻13号

2000年12月発行

文献概要

シンポジウム 21世記の整形外科移植医療~その基礎から臨床応用に向けて

関節軟骨欠損の修復(骨髄間葉系細胞移植)

著者: 脇谷滋之1

所属機関: 1国立大阪南病院整形外科

ページ範囲:P.1457 - P.1463

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 要旨:細胞移植による組織再生において,増殖能と分化能を維持している幹細胞が注目されている.われわれは間葉系幹細胞に近い細胞と考えられている骨髄間葉系細胞を,軟骨欠損修復に利用することを試みた.まず,家兎の実験系で,自己骨髄間葉系細胞移植により関節軟骨欠損修復が促進されることを報告した.この方法をヒトに応用した.2例の膝蓋骨軟骨欠損.および11例の高位𦙾骨骨切り術を受ける変形性膝関節症患者に対し,自己骨髄間葉系細胞移植を行った.移植後数週の早期から欠損部は軟部組織で埋められ,数カ月後には軟骨様組織で修復されていた.これは,これまでの変形性膝関節症における軟骨欠損の修復の報告よりも早い修復であるうえに,組織学的にも優れたものであった.ヒトにおいて自己骨髄間葉系細胞を軟骨欠損部に移植することにより,膝蓋骨の軟骨欠損,および変形性膝関節症の関節軟骨欠損の修復が促進されることが明らかになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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