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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻13号

2000年12月発行

文献概要

シンポジウム 21世記の整形外科移植医療~その基礎から臨床応用に向けて

末梢神経移植の最前線から

著者: 仲尾保志1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1479 - P.1487

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 要旨:現在の末梢神経外科の臨床では,広範に損傷された神経の再建には,重要性の低い知覚神経を患者自身から採取して移植する自家神経移植が行われている.しかしながら,この方法は,患者の健常部にドナーを求め,正常な神経を採取する手術であったことから,これに代わる神経誘導ガイドの開発が神経研究の重要な課題の1つとされてきた.近年,様々な人工素材による人工神経が試作され,神経栄養因子を利用した研究もなされており,比較的短い神経欠損の再建への応用が期待されている.また,長い神経欠損の再建については,同種神経移植の研究が進められており、短期の免疫抑制法や免疫寛容を誘導する方法,ドナー神経の免疫原性を低下させる方法などが模索されている.欧米では,人工神経移植や同種神経移植は,いずれも試験的な臨床応用の段階にあり,それにあわせてシュワン細胞のviabilityを維持しながら神経組織を長期間冷凍保存する研究も進められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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