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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻13号

2000年12月発行

文献概要

シンポジウム 21世記の整形外科移植医療~その基礎から臨床応用に向けて

神経幹細胞を用いた損傷脊髄の修復・再生

著者: 小川祐人12 戸山芳昭1 岡野栄之2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2大阪大学大学院医学系研究科神経機能解剖学

ページ範囲:P.1489 - P.1496

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 要旨:成人の中枢神経系では神経細胞は決して補充されず,一度損傷されてしまえば機能的な再生は望めないと,つい最近まで教科書的には考えられてきた.しかし,神経幹細胞の選択的培養法が確立され成人の中枢神経系にも神経幹細胞が存在することが,さらには成人においても脳内の特定の部位では神経細胞の新生が起きていることが明らかとなってきた.そこで,傷害された神経組織を神経幹細胞を利用して再生しようとする試みが近年盛んに行われてきている.脊髄損傷に対しても,このような試みは行われており,マウスのES細胞を利用したラット脊髄損傷モデルへの移植実験で,神経幹細胞移植により運動機能が改善したとの報告が出されている.神経幹細胞の移植を考える場合,移植細胞のみならず移植部位の微小環境についても十分に考慮すべきである.また,より良い機能改善を目指すために機能改善のメカニズムについても今後詳細に検討する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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