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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻13号

2000年12月発行

文献概要

論述

人工股関節置換術後の屈曲制限について

著者: 浅野浩司1 松原正明1 鈴木康司1 森田定雄1 四宮謙一1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1507 - P.1511

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 抄録:人工股関節置換術の目的は疼痛の軽減と可動域の獲得であるが,術後の屈曲が不十分な症例も多数みられる.われわれは,初回人工股関節置換術を行った69例72関節の屈曲角度の変化を調べ,術後の屈曲角度に影響を与える因子について検討を行った.インプラントの設置角度より理論的な屈曲角度を求め,実際の屈曲角度と比較したが,インプラントが問題となるような症例はほとんどなかった.また,術前の屈曲角度が小さい症例では術後の屈曲角度も小さくなっており,術後の屈曲制限の原因はインプラントの問題ではなく,軟部組織の問題が大きいと考えられた.また,退院時に反対側の屈曲角度が手術側より小さい症例では,退院後,手術側の屈曲角度が次第に小さくなっており,日常生活で股関節を十分に屈曲する機会がないために屈曲角度が小さくなったと考えられた.術後の屈曲角度の改善のためには術前リハビリテーション,術中の軟部剥離,術後リハビリテーションなどが重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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