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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻13号

2000年12月発行

臨床経験

化膿性仙腸関節炎の2例

著者: 元吉孝二1 井上敏生1 荒牧保弘1 福嶺紀明1 内藤正俊1 山口覚2

所属機関: 1福岡大学医学部整形外科 2福岡大学医学部小児科

ページ範囲:P.1551 - P.1554

文献概要

 抄録:化膿性仙腸関節炎は,比較的稀な疾患である.今回われわれは,2症例を経験したので報告する.症例1は14歳女児.主訴は腰臀部痛・歩行困難であり,理学所見・CT・MRI・骨シンチにて診断した.安静,抗生剤投与施行するも軽快せず,切開,排膿,ドレナージ術を要した.40日間抗生剤投与し.術後1年6カ月の現在,症状の再発を認めていない.症例2は20歳女性.主訴は帝王切開後の腰臀部痛・歩行困難であり,理学所見・MRI・骨シンチにて診断した.安静.抗生剤投与施行し軽快した.80日間抗生剤投与し,退院3カ月後の現在,症状の再発を認めていない.化膿性仙腸関節炎は激痛のため充分な診察ができず,しばしば診断に難渋するため.このことを念頭におくことが必要である.診断にはMRI・骨シンチが有用であった.治療は保存療法が原則であるが,膿瘍形成例や保存療法無効例は観血的治療が必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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