icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻13号

2000年12月発行

文献概要

臨床経験

診断に難渋したネコ引っ掻き病

著者: 荻野法之1 岡田正人1 奥田鉄人1 小川原雅隆1 松本忠美1

所属機関: 1金沢医科大学整形外科

ページ範囲:P.1555 - P.1558

文献購入ページに移動
 抄録:今回われわれは,診断に難渋したネコ引っ掻き病の1例を経験したので報告する.症例は11歳女児で,右肘関節内上顆近位部に大きさ4.5×2cm,弾性硬の疼痛を伴う腫瘤がみられた.MRI所見で腫瘤が2個認められ,軟部悪性腫瘍を疑い入院した.しかし,入院時すでに腫瘤は縮小し,発症2カ月後には腫瘤は触知できなかったため,再度病歴を聴取した.猫の受傷歴の既往があり,右第3指の指尖部に創瘢痕を認めた.また,Bartonella henselaeに対するIgG抗体価が1,024倍以上と上昇していたことより,cat scratch diseaseと確定診断した.本症の診断には,猫との受傷歴や接触歴の有無が重要であり,Bartonella henselaeに対する抗体価の上昇により確定診断される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら