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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻3号

2000年02月発行

文献概要

シンポジウム 変形性膝関節症の病態からみた治療法の選択

変形性膝関節症に対する高位𦙾骨骨切り術

著者: 斎藤知行1 腰野富久1 赤松泰1 中島邦晴1 和田慎一1

所属機関: 1横浜市立大学医学部整形外科

ページ範囲:P.141 - P.147

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 要旨:変形性膝関節症では膝関節の変形はX線学的進行および軟骨変性破壊と相関し,その病勢と深く関係する.目標角度に矯正し膝関節を動的に安定させる高位𦙾骨骨切り術の臨床成績は長期的に良好である.変形性膝関節症は数十年を経過し発症する.その病態には関節包を含めた軟部組織の拘縮も関与する.関節包の縦切開や内側側副靱帯を含めた鵞足部の骨膜下剥離など軟部組織処置の併用は屈曲拘縮の除去ばかりでなく,関節包の緊張を取り除き,術後の除痛効果と直接関連し手術手技上重要である.術後の関節内変化を関節液分析,DXA法による大腿骨遠位関節近傍の骨密度測定,滑膜組織所見から検討すると,軟骨破壊の防止,骨棘形成や軟骨下骨硬化の抑制,滑膜炎症の沈静化を認め変形性膝関節症の進行の防止を示した.これらの生物学的改変の誘導により治療効果が発現し,一度獲得された効果は長期にわたり維持され,外科的治療において障害のないcompartmentはできる限り温存すべきであることを強調した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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