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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻3号

2000年02月発行

文献概要

臨床経験

頚椎椎弓根スクリュー固定が有効であった頚椎多数回手術の1例

著者: 藤林俊介12 四方實彦1 田中千晶1 杉本正幸1 大西宏之1

所属機関: 1京都市立病院整形外科 2京都大学医学部整形外科

ページ範囲:P.205 - P.209

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 抄録:頚椎椎弓根スクリュー固定が有効であった頚椎多数回手術の1例を経験したので報告する.症例は49歳,男性.主訴は四肢・体幹のしびれと痛みである.頚椎椎弓切除術(C3-7)を施行されたが,後弯変形が生じたためプレートを用いた頚椎前方固定術(C4-6)が行われた.しかし,プレートが脱転したため,プレートを抜去し,その後,後弯変形がさらに進行したため,腓骨を用いた頚椎前方固定術(C2-7)を施行した.しかし,前方固定の頭側が偽関節を呈し局所後弯が残存した.そこで椎弓根スクリューを用いた頚椎後方固定術(C2-5)を施行した.術後4カ月で骨癒合が得られ,アライメントも改善し,四肢・体幹の異常知覚はほぼ消失した.頚椎椎弓根スクリュー固定はその高い固定性により外傷,頚椎破壊性病変,前方固定術後の偽関節などに適応があるが,椎骨動脈,神経根,脊髄の損傷の危険性が高く,手術手技が困難である.しかし,今回の症例のように後方要素が著しく破壊された症例や,整復や矯正の必要な症例においては非常に有効である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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