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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻3号

2000年02月発行

文献概要

臨床経験

潰瘍性大腸炎に破壊性の股関節炎を合併した1例

著者: 金村在哲1 西川哲夫1 松原伸明1 日野高睦1 冨田佳孝1 三谷誠1 原田俊彦1 井口哲弘2

所属機関: 1兵庫県立加古川病院整形外科 2神戸労災病院整形外科

ページ範囲:P.211 - P.214

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 抄録:潰瘍性大腸炎に破壊性の股関節炎を合併した1例を経験した.症例は33歳の女性で,12歳時より腹痛と下痢を主訴に潰瘍性大腸炎の診断にて加療を受けていたが,翌年より腹部症状の増悪時には膝,肘および股関節の移動性,一過性の疼痛を自覚していた.31歳時より右股関節痛が増強し,保存的治療を受けたが症状の軽快はなく,X線像上も関節破壊の進行を認めたため,右股関節に対して双極性人工骨頭置換術を施行した.術後経過は良好で疼痛は消失している.
 潰瘍性大腸炎では種々の腸管外合併症が認められているが,その中でも脊椎および関節症状は血清反応陰性脊椎関節症の範疇に属している.その特徴は急性に発症し,一過性,移動性に生じるびらん性変化を伴わない非破壊性の関節炎とされている.自験例では破壊性の股関節炎を合併し,観血的治療にまで至った稀な1例であり,人工骨頭置換術を施行し良好な結果を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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