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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻3号

2000年02月発行

文献概要

臨床経験

初回人工股関節置換術における十字プレートの使用経験

著者: 田中千晶1 四方實彦1 高橋真1 中山富貴1 三原一志1 大西宏之1 梁瀬義章2

所属機関: 1京都市立病院整形外科 2田附興風会北野病院整形外科

ページ範囲:P.219 - P.222

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 抄録:人工股関節の臼蓋再置換術において,十字プレート(KerboullおよびKT)は原臼位臼蓋再建のための有効なプレートとして徐々に認められつつある.初回人工股関節置換術においても骨破壊のある4症例に対して,これらの十字プレートを使用した経験を述べる.症例は慢性関節リウマチ(RA),急速破壊型股関節症(RDC),変形性股関節症(OA),股関節放射線障害(lrradiated Hip)各1例で,全例2~7年の経過観察を行った.全例疼痛なく機能的には良好であった.RDC例とOA例ではX線像上のゆるみの所見を認めなかったが,RA(Protrusio acetabuli)例は術後5年で臼蓋側の移動とスクリュー1本の折損を認め,放射線障害股においてもスクリュー折損を認めた.RA例では技術的反省点(プレート固定の際に閉鎖孔フックの掛りが不十分であったこと)と移植自家骨の質的量的問題を,後者では病変自体の問題点を認識したが,RDC例のような臼蓋破壊例の初回THAに際しては,原臼位再建を行う場合に十字プレートは極めて有効な器具であると考えられた.臼蓋再置換術と同様にプレートサイズの選択,的確な設置固定,量的にも質的にも充分な移植骨は当然のことながら強調されるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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