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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻3号

2000年02月発行

文献概要

臨床経験

小児の下腿に発生した骨外性軟骨腫の1例

著者: 福山泰平1 佐藤啓三1 山崎京子1 栗原章1 井口哲弘1 笠原孝一1 山本哲司2

所属機関: 1神戸労災病院整形外科 2神戸大学医学部整形外科

ページ範囲:P.229 - P.232

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 抄録:症例は9歳の男児で,左下腿遠位部の腫瘤を主訴に当科を受診した.単純X線像で𦙾・腓骨間に内部に環状の骨化像を有する腫瘍陰影を認めた.CTやMRIなどの所見より,良性軟骨腫瘍を疑い摘出術を行った.腫瘍は𦙾・腓骨の骨膜および骨間膜に接していたが,強い癒着や連続性はなかった.摘出術に加え,圧痕のある𦙾・腓骨の骨膜を可及的に掻爬し,腫瘍に接する骨間膜を切除した.組織学的には成熟した軟骨組織が主体であり,内部に内軟骨性骨化巣を伴っていた.核の異型性や分裂像はなかった.以上の所見より,骨外性軟骨腫と診断した.骨外性軟骨腫は骨外の組織に発生する良性軟骨腫瘍で,過去の報告例では大部分が四肢,特に手指に発生している.われわれの渉猟し得た限りでは271例の報告があり,下腿発生例は自験例を含めて2例と稀であった.術後6カ月の現在,再発はなく経過観察中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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