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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻4号

2000年03月発行

文献概要

論述

大腿骨頭壊死症に対するEndoprosthesisの成績と臨床的問題点―Bipolar型人工骨頭と人工股関節とを比較して

著者: 飯田哲1 篠原寛休1 藤塚光慶1 矢島敏晴1 丹野隆明1 品田良之1 早川徹1

所属機関: 1松戸市立病院整形外科

ページ範囲:P.257 - P.265

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 抄録:術後1年6カ月以上経過観察可能であった大腿骨頭壊死症25例33関節を対象に,Bipolar型人工骨頭置換術(Bipolar群)と人工股関節全置換術(THA群)の術後成績を比較し,成績不良因子を検討した.最終調査時の日整会股関節症判定基準が80点以上を成績良好例とすると,THA群では86%が成績良好例であったのに対して,Bipolar群では42%であった.項目別では,疼痛と可動域の点数がBipolar群で有意に低かった.両群に共通した成績不良因子はosteolysisに起因した骨折やlooseningであった.Bipolar群のみに認められた成績不良因子は股関節周囲の特異な疼痛(33%)と骨頭のCentral migration(8%)であった.人工骨頭の摺動面にあたる臼蓋軟骨の変性が,術前より存在していたり,また術後に新たに生じることにより,股関節周囲の疼痛やcentral migrationが出現しうると考えられる.大腿骨頭壊死症に対してBipolar型人工骨頭置換術を施行する場合は,central migrationや股関節周囲の疼痛が生じる可能性を念頭に置く必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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