icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻4号

2000年03月発行

文献概要

臨床経験

バレーボール中に生じた骨折を伴わない足関節脱臼の1例

著者: 濱口裕之1 斎藤令馬1 藤田伸弥1 山添勝一1 野口昌彦2 平澤泰介2

所属機関: 1国立舞鶴病院整形外科 2京都府立医科大学整形外科

ページ範囲:P.321 - P.324

文献購入ページに移動
 抄録:稀な外傷である骨折を伴わない足関節脱臼の1例を経験したので報告する.症例は35歳女性で,バレーボール中に左足関節底屈位で着地した際に受傷した.単純X線像では距骨は後内側に脱臼していたが骨折は認めなかった.徒手整復後に前距腓靱帯および関節包を縫合し,6週間の短下肢ギプス固定を行い,3カ月後から全荷重を許可した.本脱臼は内側型,外側型,前方型,後方型およびこれらの複合型に分類され,このうち内側型が最も多いとされる.治療法としては距骨の脱臼を整復し可及的に断裂した靱帯や関節包を縫合する.6~8週間ギプス固定し2~3週間の免荷の後,可及的に全荷重を許可するとの報告が多い.本脱臼の長期成績は一般的に良好であるが後𦙾骨動脈損傷や広範な軟部組織の損傷を合併した症例では予後不良となる可能性がある.本例では受傷後1年の現在,軽度の足関節外側不安定性を認めるが,日常生活上での愁訴はなく,日整会足部疾患治療成績判定基準では100点で経過良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら