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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻4号

2000年03月発行

臨床経験

腰椎黄色靱帯に発生した腫瘤(肉芽組織)の1例

著者: 佐々木知行1 戸館克彦1 秋元博之2

所属機関: 1公立七戸病院整形外科 2青森県立中央病院整形外科

ページ範囲:P.331 - P.335

文献概要

 抄録:腰椎黄色靱帯に肉芽組織で形成された腫瘤が生じた1例を経験した.症例は55歳,男性.腰痛および歩行時の右下肢痛を主訴に当科を受診した.MRIおよび脊髄造影で右L3/4高位で硬膜を後方から圧迫する腫瘤を認めた.画像所見から脱出ヘルニア,ガングリオン,嚢腫,血腫を疑い手術を行った.術中黄色靱帯内面に赤褐色を呈した表面平滑な充実性の腫瘤を認めた.病理組織所見は,腫瘤は黄色靱帯の内部に存在し上皮化は認めず内部は変性の著しい結合組織に置換され,一部壊死を認める肉芽組織であった.術後症状は消失し経過良好である.黄色靱帯に発生した腫瘍は,血腫,滑膜嚢腫,ガングリオン,肉芽組織の嚢腫などの報告が過去に数例あるがその頻度は少なく,肉芽組織で形成された腫瘤の国内報告例は確認できなかった.文献上,椎間関節の変性を伴うことが多く,その発生機序にストレスや微小外傷の関与が示唆されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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