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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻4号

2000年03月発行

文献概要

臨床経験

結核性膿瘍により胸郭出口症候群をきたした1例

著者: 松永大吾1 清水富永1 五明広樹1 吉村康夫1 赤羽努1 堤本高宏1 中上幸男1 高岡邦夫1

所属機関: 1信州大学医学部整形外科

ページ範囲:P.345 - P.348

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 抄録:結核性膿瘍により胸郭出口症候群をきたした1例を経験した.症例は50歳女性,カナダ人.結核の既往はない.1998年3月,特に誘因なく右上肢痛と右頚部のコリ感が出現.同年4月,当科初診した.所見上,右鎖骨上窩にウズラの卵大の柔らかい腫瘤を触知し,右手の握力低下を認めた.Wrightテスト,Roosテストとも患側陽性であった.MRI像では,腫瘤により腕神経叢が背側,下方に圧排されていた.同年7月,切開生検を行った.術中,黄白色の膿状の液体が流出した.培養陰性,PCRでも好酸菌のゲノムは検出されなかったが,病理診断で炎症性疾患が疑われた.同年8月11日,病巣掻爬術を行った.病理組織所見では類上皮性肉芽腫の形成を認め,培養およびPCRで結核菌が検出された.術後6カ月間化学療法を行い,現在局所の腫瘤はなく症状も消失している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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