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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

大孔前縁腫瘍へのSuboccipital Condylar Approach

著者: 島本佳憲1 河瀬斌1 吉田一成1 内田耕一1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.363 - P.369

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 抄録:Suboccipital condylar approachでは通常の後頭下開頭にoccipital condyleの後内側部切除を加え,さらに脊椎管内に腫瘍が進展している症例では,C1,C2半弓切除、および環椎後頭関節の部分切除を追加し,一方,斜台中下部への進展が認められる症例ではjugular tubercleを硬膜外から追加削除する.これらの硬膜外からの骨削除により、硬膜内にて脳幹の圧排を全く要さずに良好な術野にて腫瘍を摘出することが可能となる.同アプローチにて8例の大孔前縁腫瘍摘出を施行し,7例において全摘出された.2例で術後に嚥下障害を来たしたが,3カ月で経口摂取可能となった.1例は術後7病日に原因不明の呼吸停止を来たし遷延性意識障害を来たした.この1例以外は平均4.2年の経過観察において,腫瘍の再発増大はなく現在社会活動可能な状態である.大孔周辺の手術解剖に熟知し,各症例ごとに術前充分な検討を行い,必要最小限の骨削除にて腫瘍の摘出を行うことが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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