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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

頭蓋頚椎移行部手術,経口的減圧術について

著者: 高橋立夫1 山内克亮1 谷口克己1 高田宗春1 今川健司1 桑山明夫1

所属機関: 1国立名古屋病院脳神経外科

ページ範囲:P.371 - P.377

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 抄録:頭蓋頚椎移行部病変のうち整復不可能な頭蓋底陥入症,環軸椎脱臼,脊髄の腹側に位置する硬膜外腫瘍26例に対して経口的減圧術を行ってきた.合併する他病変のための心不全による死亡例,胸椎後側弯による対麻痺の例以外は,術後の神経症状の増悪はなく術後経過は良好であった.若年者あるいは脱臼してから日時の経っていない例では,頭蓋直達牽引,Halo-vest牽引などで整復を試みるべきである.さらに,筋弛緩剤を使用し全身麻酔をかけて直達牽引し,整復できたこともある.リウマチに伴う頭蓋底陥入症では,経口的減圧術後には高率に不安定性が増悪するので,同時期に後方固定するのがよい(5例).先天奇形に伴うものも術中透視で不安定性のあった例は,後方固定を加えた(9例).Down症候群にみられた例も靱帯が極めて弱く不安定なことが多いので,後頭骨から頚椎を固定した(4例).他には,Atlantoaxial rotatory fixation(Fielding III),Spondyloepiphyseal dysplasia congenitaによるAADなどが適応となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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