icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

10年以上前に後頭頚椎固定術を受けた慢性関節リウマチ患者の転帰―患者予後からみた手術の意義について

著者: 松永俊二1 井尻幸成1 酒匂崇1

所属機関: 1鹿児島大学医学部整形外科

ページ範囲:P.379 - P.383

文献購入ページに移動
 抄録:後頭頚椎固定術を受けた上位頚椎病変を有する慢性関節リウマチ患者の最終的転帰を知ることを目的として,最短10年の追跡調査を行った.脊髄症状に対してrectangular rodを用いた後頭頚椎固定術を受けた慢性関節リウマチ患者16名を対象として,術後のX線および臨床症状の変化,術後の生活様式,生命予後について検討した.atlas-dens interval(ADI)は,術後矯正が保持されていたが,垂直脱臼は最終的には矯正は術前の状態に戻っていた.後頚部痛は全例消失あるいは改善していた.脊髄症状は16例中12例(75%)がRanawatの評価で一段階以上の改善を認めた.術後の生命予後は術後10年での生存率は38%であった.慢性関節リウマチ患者に対する後頭頚椎固定術は頑固な後頚部痛の消失と脊髄症状の改善,そして患者の生命予後からも意義ある治療法であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら