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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

頚椎症性脊髄症に対する前方除圧固定術の長期成績―術後10年以上における成績不良例の検討

著者: 高石官成1 松本守雄1 渡辺雅彦1 丸岩博文1 千葉一裕1 藤村祥一1 平林洌2 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2慶應義塾看護短期大学

ページ範囲:P.401 - P.407

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 抄録:前方除圧固定術を施行した頚椎症性脊髄症49例に対して,10年以上の長期追跡調査を行い,成績不良例の病態について考察した.JOAスコアは,術前平均9.1±1.7点,最終経過観察時で13.8±2.2点(改善率59%)と漸減傾向にあったが,長期的にもほぼ安定していた.固定椎間数や固定椎体角度は,術後の頚椎弯曲形態に関与しており,不良アライメントに伴う隣接椎間病変は遅発性の臨床成績悪化に有意に影響を与えていた.また,術後MRIにおいて,改善率と髄内高輝度信号強度比には相関を認めなかったが,脊髄横断面積には相関がみられた.術後長期経過例において観察された灰白質の高輝度領域を伴う広範囲の脊髄萎縮は,除圧後の循環改善が期待できない非可逆性の状態に加齢変化が加わった,重度脊髄障害の終末像と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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