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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

頚椎症性脊髄症に対する片開き式脊柱管拡大術の長期成績―術後10年以上

著者: 丸岩博文1 千葉一裕1 渡辺雅彦1 松本守雄1 藤村祥一1 平林洌2 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科 2慶應義塾看護短期大学

ページ範囲:P.411 - P.416

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 抄録:頚椎症性脊髄症に対し片開き式脊柱管拡大術を施行し,術後10年以上経過した27例(調査率54%)の手術成績を調査した.JOAスコアならびに平林法による改善率(%)は,術前平均8.4点が術後3年13.8点(58.4%),最終調査時13.1点(55.5%)と術後3年で最高となり,以後漸減するものの最終調査時まで概ね良好に維持されていた.後頭骨を含めた頚椎の前後屈可動域は約3分の2に減少していたが,ADLに支障のない症例では,ある症例に比し可動性が有意に保たれていた.遅発性悪化例を8例に認めたが,その多くは明らかな原因を認めず,加齢による運動能力の低下もその一因と思われた.しかし,8例中5例は非前弯型の弯曲形態を有していたことから,弯曲形態の変化も術後成績に影響を与えている可能性が示唆された.したがって,本法の長期成績をより向上させるには頚椎前弯位と可動性の保持に留意すべきと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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