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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

頚椎症性脊髄症の術後長期成績についての検討

著者: 田口敏彦1 河合伸也1 金子和生1 加藤圭彦1 米村浩1

所属機関: 1山口大学医学部整形外科

ページ範囲:P.417 - P.420

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 抄録:術後10年以上追跡調査可能であったCSM手術例において前方法と後方法の術後成績の検討を行った.術式の選択はdecision nodeを罹患椎間数にし,2椎間以内を前方法,3椎間以上を後方法(椎弓形成術)として検討した.平均19年の追跡期間では,前方法と椎弓形成術に成績の差はなく,Kaplan-Meier法での術後成績の安定推定期間は,それぞれ14年と11年であった.術後成績に影響を与える因子としては,1年以上の罹病期間(p<0.001)があり,前方法では,13mm以内の脊柱管前後径(p<0.05),後方法では,頚椎の弯曲異常(p<0.05)であった.術後10年以上経過して成績の低下する症例は,頚椎疾患以外によるものが多い.前方法,後方法ともに術後10年以上の安定した成績が得られており,今後の課題は術式の選択よりも術前にいかに脊髄の非可逆的変化を捉えるかが問題になってくると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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