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特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)
腰椎椎間板ヘルニアに対する前方固定術の長期成績―術後10年以上
著者: 名倉武雄1 千葉一裕1 藤村祥一1 平林洌2 戸山芳昭1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科 2慶應義塾看護短期大学
ページ範囲:P.447 - P.451
文献購入ページに移動術後中期(3~5年),10年以降でのJOAスコアを用いた平均改善率は83.2%,78.4%と良好であった.改善率25%未満の成績不良例は3例(8%)で,うち2例は固定下位椎間(L5/S)でのヘルニア新生のため再手術を要した.最終調査時,隣接椎間のX線上の変化として,椎間狭小化を6例(20%),不安定性または後方すべりの発生を4例(13%)に認めたが,いずれも臨床症状との相関はなかった.LDHに対するASFは術後10年以降も安定した成績を示した.長期経過に伴う固定隣接椎間の変化を33%の症例に認めたが,そのうち症状を呈し再手術に至ったのは2例(7%)のみであり,臨床成績に及ぼす影響は予想より小さかった.
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