icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

腰部脊柱管狭窄に対する開窓術の長期成績―術後10年以上経過例での検討

著者: 関修弘1 木田浩1

所属機関: 1いわき市立総合磐城共立病院整形外科

ページ範囲:P.489 - P.496

文献購入ページに移動
 抄録:腰部脊柱管狭窄に対する開窓術の長期成績を術後10年以上経過した症例を対象に検討した.開窓術は,術後長期においても明らかに症状・所見の改善が得られ,除圧の効果が維持されていた.開窓術の長期成績には脊椎症と変性すべり症の間には差異は認められなかった.神経障害形式では,馬尾型は神経根型に比較し,術前・調査時のJOA scoreが低く,改善率も低かった.腰痛は,疾患や神経障害形式と関係なく有症率が術前より調査時において増加していた.症状の残存は,下肢痛と歩行能力は少ないが,下肢のしびれが多かった.特に,術前すでに馬尾障害を有し,神経障害が高度な混合型・馬尾型で下肢のしびれの残存が多かった.X線学的には,椎間高が減少し,腰椎前弯が減少する傾向が認められた.椎間不安定性は長期成績とは関連していなかった.長期成績に影響を与える因子は,JOAscoreからみた場合では術前の神経障害形式であり,予測因子として有用である.満足度には歩行能力の改善が影響していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら