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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

腰部脊柱管狭窄症に対する非固定広範椎弓切除術の術後10年以上の超長期成績

著者: 中山潤一1 井口哲弘1 栗原章1 藤原朗1 山崎京子1 佐藤啓三1 笠原孝一1 松本英裕1

所属機関: 1神戸労災病院整形外科

ページ範囲:P.497 - P.501

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 抄録:腰部脊柱管狭窄症に対して非固定広範椎弓切除術を行い,術後10年以上経過した37症例について長期成績を調査した.手術時の平均年齢は60.9歳で,術後追跡期間は平均13.1年である.臨床成績はJOA点数を用いて評価した.全体の平均改善率は55.2%であり,75%以上改善した優は35%,50%以上の良は22%で,優良合わせて57%を占めていた.項目別では腰痛の改善率が低値を示した.
 固定術を追加した症例はなく,再手術例は除圧椎間部での椎間板ヘルニア発症による3例のみであった.術後の成績不良に関与する因子としては,多椎弓切除および10°以上の椎間可動角があげられ,後者がより重要な因子と考えられた.非固定椎弓切除術は長期にわたり良好な成績が維持されており,原則的に固定術を併用しなくても十分な成績が維持され,推奨できる手術法といえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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