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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

腰椎変性疾患に対するPLIFの長期成績

著者: 大河内敏行1 大和田哲雄1 山本利美雄2

所属機関: 1大阪厚生年金病院整形外科 2大阪労災病院整形外科

ページ範囲:P.519 - P.526

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 抄録:腰椎変性疾患に対する一椎間の後方進入椎体間固定術(PLIF)の長期成績について報告する.症例は213例で,疾患の内訳は椎間板ヘルニア(LDH)が154例,変性すべり症(DS)が29例,分離すべり症(SO)が30例で,手術時の平均年齢はLDH群が40.3歳,DS群が57.1歳,SO群が39.9歳であった.術後の平均経過観察期間はLDH群が13.8年,DS群が13.2年,SO群が13.9年であった.平均改善率はLDH群が85%,DS群が59%,SO群が78%であった.隣接椎間の変性進行による追加手術はLDH群の7.8%(12例),DS群の14%(4例)に行われているが,SO群ではなかった.これら以外の例で隣接椎間にみられた変性進行の頻度は,椎間腔の狭小化がLDH群で27%,DS群で41%,SO群で21%,また不安定性がそれぞれ6%,18%,4%であった.DS群に狭小化,不安定性を高率に生じていた.腰椎変性疾患全体としては,PLIFは少なくとも10年間は良好な手術成績を維持できた.しかし,変性すべり症は経年的に成績が低下する傾向があり,隣接椎間の不安定性がこの一因となっていると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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