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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

腰椎分離すべり症に対する前方固定術の術後10年以上の長期成績

著者: 石原裕和1 長田龍介1 金森昌彦1 川口善治1 大森一生1 木村友厚1 辻陽雄1 松井寿夫2

所属機関: 1富山医科薬科大学医学部整形外科 2高岡市民病院整形外科

ページ範囲:P.527 - P.533

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 抄録:腰椎分離すべり症に対し腰椎前方固定術を施行し,術後10年以上経過した全35例中,死亡2例,追跡不能10例を除く23例(調査率66%,男性19例,女性4例,手術時年齢16~57歳,平均38歳)の術後10年以上の長期成績から,その価値と問題点を明らかにした.JOAスコアの経年的推移をみると,全体として良好な成績を維持しているが,術後5年以降やや成績が低下する傾向が認められた.項目別では,腰痛スコアの低下傾向が強かった.腰椎前方固定術は椎間板を十分に切除し,椎間を拡大位で固定することで,神経根除圧とすべりのある程度の整復を得ることができる.しかし,自家骨移植のみでは骨癒合までに移植骨の圧壊が生じ,ほぼin situの固定となった.移植骨癒合率は83%であった.偽関節例では経年的に腰痛スコアが悪化する傾向が認められたが,すべりの戻り,移植骨圧壊,骨癒合と臨床成績の間に有意な関係は認められなかった.X線上は多くの例に隣接椎間変性の進行を認めたが,これも臨床成績に影響を及ぼさなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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