特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)
経皮的レーザー椎間板除圧術(PLDD)のあと再治療を要した症例の検討
著者:
鈴木省三1
宮内晃1
岩崎幹季1
山本利美雄1
米延策雄2
福田和也3
橋本一彦4
太田信彦5
満田基温6
所属機関:
1大阪労災病院整形外科
2大阪大学医学部整形外科
3大阪逓信病院整形外科
4日生病院整形外科
5住友病院整形外科
6豊中市民病院整形外科
ページ範囲:P.537 - P.543
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抄録:他施設で受けたPLDDの成績に不満足なため当科および関連施設を受診した22例を対象症例とした.全例Nd-YAGレーザーを使用したPLDDによるものであった.適応は妥当と考えられるが,効果不十分であったものは2例で,適応に問題があると考えられる症例が12例,神経根損傷を疑わせる症例が2例存在した.局所合併症としては,4例に化膿性椎間板炎を,14例に椎体終板損傷を認めた.椎体終板損傷はMRIではT1低輝度,T2高輝度を呈し,CTでは骨硬化像で中心部に骨欠損を伴う症例もあった.治療は,随核摘出術を8例に,PLIFを6例に,前方固定術を2例に,開窓術を3例に行った.椎間板炎の2例と神経根損傷の1例には保存的治療を選択した.