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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

文献概要

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

後縦靱帯骨化症候補遺伝子COL11A2の多型によるmRNA発現の差

著者: 前田真吾1 古賀公明1 井ノ上逸朗2 酒匂崇1

所属機関: 1鹿児島大学医学部整形外科 2群馬大学生体調節研究所遺伝情報分野

ページ範囲:P.559 - P.564

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 抄録:われわれはこれまでHLA領域の罹患同胞対連鎖解析の結果から,コラーゲン11α2遺伝子を後縦靱帯骨化症候補遺伝子として変異(多型)を検索したところ,19カ所の多型を見い出している.患者・対照関連試験にて頻度の比較を行った結果,4カ所の多型で強い有意差を認めている.その中でも最も強い有意差(p=0.0004)を認めたのは,イントロン6(-4)の多型(T/A)である.イントロン変異なので、選択的スプライシングに影響を与えることが予想された.かつ,イントロン6周辺は複雑な選択的スプライシングが起こることがすでに示されている.頚椎棘間靱帯細胞を用いたRT-PCR法にてin vivoで観察し,イントロン6(-4)遺伝子型の違いによりスプライシングパターンが変化することを示すことができた.そこでさらにエクソン・トラッピング法にてin vitroでのスプライシングを解析し,イントロン6(-4)の多型がエクソン6のスキッピングに何らかの形で関わっていることを確認できた.コラーゲン11α2遺伝子の多型により発現するエクソンの組み合わせが異なるということは,OPLL発症における「遺伝的罹りやすさ」を考える上で興味深い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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