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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻5号

2000年04月発行

特集 脊椎外科最近の進歩―長期予後からみた問題点を中心として―(第28回日本脊椎外科学会より)

椎間板ヘルニアのマトリックス分解におけるMMPの作用―MMPノックアウトマウスを用いた椎間板ヘルニアin vitroモデル

著者: 波呂浩孝12 四宮謙一4 小森博達4

所属機関: 1東京医科歯科大学疾患遺伝子センター運動器分子変性部門 2東京医科歯科大学疾患遺伝子センター医学部整形外科 3 4東京医科歯科大学医学部整形外科 5

ページ範囲:P.565 - P.573

文献概要

 抄録:椎間板ヘルニアの手術検体を用いた研究で,ヘルニア塊には炎症性細胞浸潤と新生血管の増生が認められ,浸潤したマクロファージと椎間板ヘルニア内の軟骨細胞がプロテオグリカンやコラーゲン分解に強い作用をもつマトリックスメタロプロテアーゼ(Matrix Metalloproteinase;MMP)を強発現していることを確認した.外来性の浸潤マクロファージと椎間板内在の軟骨細胞の相互作用が,これらMMPの活性化に関与していると推測し,MMPの特異的作用について検討するため,MMP欠損マウスを用いたヘルニア急性期モデルを椎間板組織や軟骨細胞とマクロファージをコカルチュアーするvitroの系により作成した.
 軟骨細胞とマクロファージのコカルチュアーではプロテオグリカン分解に強い作用をもつMMP-3(ストロムライシン)とMMP-7(マトリライシン)が強発現していた.このコカルチュアーサンプルはカセイン分解活性を有し,様々な酵素阻害剤を使ってこの活性がMMPによるものであることが判明した.さらに,MMP-7は椎間板内へのマクロファージ浸潤に,MMP-3はマクロファージ走化因子の遊離に関与している可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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