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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻6号

2000年05月発行

文献概要

論述

片開き式脊柱管拡大術後の髄節性麻痺の検討

著者: 千葉一裕1 渡辺雅彦1 丸岩博文1 松本守雄1 藤村祥一1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.607 - P.612

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 抄録:片開き式脊柱管拡大術後のC5髄節を中心とした運動麻痺の病態,原因解明に寄与する知見を得るため,同麻痺を生じた13例(発生率7.1%)の臨床症状,改善率,MRIを含めた画像所見などを解析した.その結果,術後数日経過後,蝶番側に発症する例が多い,術前症状としていわゆる索路症状より指先を中心とした上肢の強いシビレの訴えが前景に出ている,頚椎弯曲とは無関係に発症する,臨床症状に比しMRI上の脊髄圧迫所見が強い,術後索路症状の改善に比し上肢知覚障害の改善が劣る,術後T2強調MR像で髄内高輝度領域を認める,などの事実が観察された.また,この高輝度領域が1椎体範囲内に限局している症例の予後は良好であった.こうした本研究の分析結果は,髄節性麻痺発症には従来から言われている神経根の機械的損傷や牽引のみならず,血行障害を含めた何らかの中心灰白質障害が関与している可能性を示唆するものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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