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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻6号

2000年05月発行

文献概要

論述

初診時に肺転移を生じていない四肢発生骨肉腫症例の治療成績

著者: 村田博昭1 楠崎克之1 中村紳一郎1 橋口津1 平澤泰介1

所属機関: 1京都府立医科大学整形外科

ページ範囲:P.613 - P.615

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 抄録:初診時に肺転移を生じていない四肢発生骨肉腫35例について,手術法による生存率の違いと術前化学療法の効果の有無による生存率の違いを比較検討した.切断術を施行した群(11例)と広範囲切除術を施行した後患肢再建術を行った群(24例)の10年累積生存率は66.7%と65.3%であり,両群間に有意差はなかった.術前化学療法の効果については,切除標本の組織学的壊死率が90%以上の群(9例)と90%未満の群(26例)の10年累積生存率は100%と54.5%であり,両群間に統計学的有意差を認めた.遠隔転移を生じた14例のうち13例が肺転移であり,うち10例は死亡した.遠隔転移は組織学的壊死率が90%以上の群の9例中2例(22.2%)に認め,90%未満の群では26例中12例(46.2%)に認め,化学療法の効果があった群の遠隔転移率は低かった.これらの結果から,薬剤感受性が骨肉腫の重要な予後因子であり,有効な薬剤を選択することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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