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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻6号

2000年05月発行

文献概要

臨床経験

脊髄内に空洞が確認された頚椎症性筋萎縮症の1例

著者: 藤原桂樹1 澁谷亮一1 浅野雅敏1 野口義文1

所属機関: 1星ケ丘厚生年金病院整形外科

ページ範囲:P.671 - P.674

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 抄録:頚椎症性筋萎縮症は知覚障害および錐体路症状を欠き,片側優位の上肢筋萎縮を主徴とする病態である.筋萎縮が神経根,灰白質いずれの障害に起因するのか未だ明確ではない.今回の報告例は60歳の男性で,左上肢の疼痛にて発症した.疼痛消失後に左上腕三頭筋の萎縮が発現,急速に進行した.左母指と示指のしびれ感はあるものの知覚障害,錐体路症状はなかった.MRIの矢状断像ではC6,C7髄節にT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈する線状の領域が認められた.横断像では,左側の灰白質前角に相当する部位が高信号を呈した.delayed CTMでは同部位に造影剤の貯留像がみられ,空洞形成が示唆された.頭蓋直達牽引にて筋力は回復したが,発症後3年の現在,筋萎縮の程度は変化していない.
 片側の筋萎縮を主徴とし,対応する髄節の灰白質前角部の患側のみに病巣が確認された初の報告例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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