icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻6号

2000年05月発行

文献概要

臨床経験

胞巣状軟部肉腫の特徴的臨床像

著者: 久保忠彦1 杉田孝1 石田治1 下瀬省二1 市川誠1 新田泰章1 生田義和1

所属機関: 1広島大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.681 - P.684

文献購入ページに移動
 抄録:比較的稀な悪性軟部腫瘍である胞巣状軟部肉腫は,一般的に化学療法や放射線療法の無効例が多く,手術治療が第一選択となる.広範囲切除を行えば局所再発はほとんどないが,遠隔転移は高頻度にみられる予後不良な腫瘍である.今回,われわれは3例の胞巣状軟部肉腫を経験したので報告する.症例1は大腿四頭筋内発生例で追加広範囲切除と術後化学療法を行い,術後15年9カ月の現在,CDFである.症例2は薄筋内発生例で広範囲切除および機能再建を行い,術後6年5カ月の現在,CDFである.症例3は腓骨筋内発生例で広範囲切除を行ったが,術後1年で多発性肺転移を認めたので胸腔鏡下切除を行った.しかし,一部は切除不能であり,術後2年4カ月の現在,AWDである.MRI検査を施行した症例2,3とも,腫瘍はT1,T2強調像でともに高輝度を呈し,鑑別診断に有用であった.一般に,本腫瘍の転移率は高く,遅発性に生じる症例も多いため,長期にわたる慎重な経過観察を行う必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら