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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻6号

2000年05月発行

文献概要

臨床経験

Salmonella Chesterによる急性化膿性股関節炎の1例

著者: 島岡宏行1 阪本達也1 上松耕太1 森田健一1 桝田義英1 大川元美2 下山弘展2 河原信吾2

所属機関: 1町立大淀病院整形外科 2町立大淀病院小児科

ページ範囲:P.689 - P.691

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 抄録:われわれは極めて稀と思われるサルモネラによる化膿性関節炎を経験したので報告する.症例は4歳の女性で,右股関節痛と発熱を主訴として来院した.初診時,体温は40℃,右股関節屈曲位をとり,伸展にて強い股関節痛を訴えた.単純X線像では右股関節裂隙の開大,MRIでは右股関節に水腫の貯溜を認めた.細菌培養により便,血液,関節液のいずれからもサルモネラ菌を検出した.血清型はSalmonella Chesterであった.抗生物質の投与と関節洗浄により炎症症状は急速に消退し自発痛も消失した.
 サルモネラ菌による食中毒が急増しているが,その血清型の国際化,多様化が認められる.一般に,関節炎を伴ったサルモネラ症は比較的少ない.また,septic arthritisは必ずしも胃腸症状を呈さず発症することから看過されている可能性がある.そこで,胃腸症状の有無にかかわらず関節炎の診断に際し,サルモネラ関節炎を考慮する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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