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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻6号

2000年05月発行

文献概要

臨床経験

35年経過したアクリル樹脂製人工骨頭の1例

著者: 安村建介1 菅野吉一1 杉本一郎1 反町毅1 野原裕1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院整形外科

ページ範囲:P.693 - P.696

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 抄録:アクリル樹脂製人工骨頭はJudet兄弟により考案され,本邦でも1952年からアクリル樹脂を用いた人工骨頭が開発された.今回,術後35年経過した慈大式アクリル樹脂製人工骨頭を抜去する機会を得たので報告する.症例は67歳,男性,靴職人.32歳時,左大腿骨頚部内側骨折のため慈大式アクリル樹脂製人工骨頭置換術を他院にて行われた.67歳時に左股関節痛による歩行障害のため人工股関節再置換術を当院で行った.人工骨頭頚部に作製された10個の小孔に骨が侵入し,人工骨頭は大腿骨と強固に固定されていた.骨頭は上方から外側にかけて著明に摩耗していた.人工骨頭内の金属支柱は変色し腐食していた.滑膜の病理組織では泡沫細胞の著明な増殖像を示した.本症例が長期間温存された要因は,日常生活の低い活動性,寛骨臼の関節軟骨と軟骨下骨の温存,人工骨頭と寛骨臼の適合,人工骨頭の強固な固定,アクリル樹脂の組織適合性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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