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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻7号

2000年06月発行

文献概要

臨床経験

関節窩形成術を行った陳旧性肩関節後方脱臼骨折の1例

著者: 船山敦1 小川清久1 浪花豊寿1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.797 - P.800

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 抄録:関節窩後縁に大きな骨欠損を伴った陳旧性肩関節後方脱臼骨折に対し,関節窩形成術を施行した1例を報告する.症例は68歳女性で,自宅で転倒し受傷した.近医で脱臼を見逃され,受傷後6カ月目に当科を受診した.右上腕骨頭は後方に脱臼し,上腕骨頭前内側に約30%の骨欠損と関節窩後縁の大きな骨欠損を認めた.骨頭欠損部に肩甲下筋を含めた小結節を移行するMcLaughlin変法と,関節窩骨欠損に腸骨から骨移植術を行った.術後,骨頭に軽度の変形が見られたが,除痛と肩関節可動域の改善が得られた.われわれが渉猟し得た範囲では,関節窩の大きな骨欠損を伴った後方脱臼骨折の報告例はなく、確立された治療法もない.前方脱臼においては,関節窩の1/5~1/4の骨欠損は肩関節の不安定性をきたすと報告されており,後方脱臼においても大きな骨欠損に対しては骨移植による関節窩形成術を行うべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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