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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻7号

2000年06月発行

文献概要

臨床経験

術前に診断し得なかった腰部硬膜外海綿状血管腫の1例

著者: 北原淳1 安川幸廣1 秋月章1 瀧澤勉1 小林博一1

所属機関: 1長野松代総合病院整形外科

ページ範囲:P.813 - P.815

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 抄録:脊椎椎体から発生した血管腫についての報告は多いが,血管腫が硬膜外に発生したという報告は少ない.われわれは腰部硬膜外に発生した海綿状血管腫の1例を経験したので報告する.症例は53歳の女性で,立位,歩行時の右下肢のしびれを主訴に来院した.MRI,脊髄造影などより腰部脊柱管狭窄症の診断で手術を行ったが,狭窄の原因は硬膜外の海綿状血管腫であった.運動などで硬膜外静脈叢の内圧が上昇し腫瘍内に出血や塞栓などが生じることで腫瘍体積が増加し,症状が発現すると考えられる.MRIや脊髄造影などの画像所見から本症と診断するのは容易ではないが,比較的若年者で腰部脊柱管様の症状を呈し,発症が急性の場合には本症のような腫瘍病変の存在も考慮すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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