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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻7号

2000年06月発行

文献概要

臨床経験

MRIで追跡しえた腰椎麻酔後発症の脊髄梗塞の1例

著者: 陣内雅史1 鎌田修博1 笹崎義弘1 牧田聡夫1 芦田利男1 木内準之助1

所属機関: 1けいゆう病院整形外科

ページ範囲:P.821 - P.824

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 抄録:今回,われわれは腰椎麻酔後に完全対麻痺として発症し,MRIで経過を追跡できた脊髄梗塞の1例を経験したので報告する.症例は64歳の女性で,腰椎麻酔と硬膜外麻酔の併用にて腹式子宮全摘術が施行され,その後に完全対麻痺(Frankel A)を呈した.MRIにて脊髄梗塞と診断し,保存的治療を行った.麻痺は徐々に回復し,5カ月後には下肢の筋力は完全に回復した.MRIの経時的変化では,初診時みられたTh9~Th12高位のT1およびT2強調画像での脊髄腫脹像は,発症8カ月で消失し,またT2強調画像でのびまん性の高輝度領域もほとんど消失した.腰椎麻酔後の対麻痺の原因として,麻酔操作による出血性疾患のみでなく,脊髄梗塞も念頭に置くべきである.診断には,MRIが有用であり,本症例では保存的治療が有効であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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