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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻8号

2000年07月発行

文献概要

臨床経験

ガスを含んだ腰椎椎間板ヘルニアの3例

著者: 安川幸廣1 秋月章1 瀧澤勉1 小林博一1 北原淳1

所属機関: 1長野松代総合病院整形外科

ページ範囲:P.925 - P.928

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 抄録:ガスを含んだ腰椎椎間板ヘルニアの3例を経験したので報告する.
 症例は男性1例(46歳),女性2例(72歳,73歳)であり,L4/5椎間板が2例,L5/S1が1例であった.3例ともに下肢痛で受診し,MRI上椎間板高位に嚢腫様組織がみられ,CTにてその組織内にガスを認めた.また,椎間板造影にて椎間板と嚢腫様組織との交通も認められた.2例に手術を行い,摘出した組織はいずれも椎間板組織の病理像であった.術後経過は良好であり,また保存的治療を行った1例も退院後4年を経ても症状の改善をみている.X線上,椎間板変性に伴うvacuum phenomenonはよくみられるが,ガスを含んだ椎間板ヘルニアの報告は稀である.本症はヘルニアの内容物が脱水などの作用で吸収され,そこに椎間板中央部に生じた主に窒素を主体としたガスが入り込み,あたかも風船のように膨らんで神経根を刺激し,症状を惹起しているのではないかと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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