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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻8号

2000年07月発行

文献概要

臨床経験

母趾多趾症に伴った先天性内反母趾の1例

著者: 井上次郎1 鎌田真彦1 萩原明彦1 原和比古1 高岸憲二2

所属機関: 1公立藤岡総合病院整形外科 2群馬大学医学部整形外科

ページ範囲:P.943 - P.945

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 抄録:今回われわれは,母趾多趾症に伴った先天性内反母趾の1例を経験したので報告する.症例;7カ月の男児.家族歴;特記すべきことなし.現病歴;妊娠中異常なし.正常分娩.生下時より左母趾に内反変形を認めた.現症;左母趾が内反し,さらにその内側に余剰趾様の突出があり,皮下に,中足骨から基節骨レベルにおいて硬い索状物を触れた.X線像では,MP関節にて約40°内反していた.手術では,白く硬い索状物を切除,第1中足骨より母趾外転筋の筋腹を切離した.これにても,やや内反傾向残り,これは関節の形状によるものと思われた.外見上,母趾最大内転位としてKirschner鋼線を母趾先端より刺入し,矯正位を保持した.摘出した索状物の組織学的所見は軟骨組織であった.術後,Kirschner鋼線は4週で抜去した.術後1年の現在,内反傾向の再発は認められない.自験例は母趾多趾症の不全例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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