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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻9号

2000年08月発行

文献概要

論述

無症候性頚椎・頚髄病変

著者: 飯田秀夫1 橘滋国2 國井正剛1 菅信一3 三富哲郎4 藤井清孝2

所属機関: 1国際親善総合病院脳ドック・脳神経外科 2北里大学医学部脳神経外科 3北里大学医学部放射線科 4国際親善総合病院神経内科

ページ範囲:P.955 - P.960

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 抄録:脊髄神経症状がごく軽症であり,MRI画像において脊髄の圧迫が軽度ある場合,MR画像上の異常を責任病巣とし,手術するかどうか治療法の選択に苦慮することがしばしばある.このため今回,脊髄症状のない正常者における頚椎・頚髄病変(無症候性頚椎症)がMRI上どれぐらい存在するかを明らかにすることを目的とした.対象は,本院脳ドック検診において頚髄MRIを希望した検診者211人(男性111人,女性100人)全員神経症状のない受診者である.MRIはResona Vector Version 0.5T(Version 3.0)を使用,頚椎をsagittal sliceにてT1,T2強調画像を撮像し,異常の有無を調べ,異常がある場合,脊髄の圧迫程度を,T1,T2強調画像における圧迫部での髄液の高信号の有無によって,none,mild,severeの3型に分類した.また,T1,T2強調画像における脊髄内の輝度変化異常の有無を調べた.さらに,211人中147人の検診者に対して頚椎動態撮影を同時に行った.結果は,頚椎MRI上,211人中166人(79%)に何らかの異常が認められた.頚椎異常は,頚椎椎間板ヘルニア,骨棘形成であった.C5-6脊椎高位にて好発していた.脊髄圧迫の程度は,なし:126例,軽度圧迫:61例,高度圧迫:24例であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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