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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科35巻9号

2000年08月発行

文献概要

論述

輸血拒否患者(エホバの証人)に対する脊椎手術の経験

著者: 細江英夫1 清水克時1 坂口康道1 西本博文1 野々村諭香1 森敦幸1

所属機関: 1岐阜大学医学部整形外科

ページ範囲:P.965 - P.971

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 抄録:エホバの証人の信者は輸血を拒否するため,大量出血の起こりうる手術的治療は著しく制限される.また,脊椎手術においては予期せぬ急性大量出血の際,輸血の回避と救命を優先するがために脊髄への圧迫止血や不安定性が残ったまま閉創するなど神経麻痺の可能性も生じる.
 体位,手術方法に関する十分な検討,熟練した手術手技などが出血量を減少させるのに重要である.一期的手術で可能か段階的手術にすべきかを決め,また許容出血量を算出し,それを超える場合には手術を中止することなどを説明しておく,麻酔医を交えた周術期における輸血,輸液等に関する綿密な打ち合わせを行い,インフォームド・コンセントを得ておく必要がある.2例の小児患者を含む5例の信者に対して,回路をつないだままの術前希釈式自己血輸血,術中回収式自己血輸血,低血圧麻酔,段階的手術などを駆使し,彼らの信仰を遵守しながら脊椎手術を行うことができた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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